フォークリフトは倉庫や工場などで重要な役割を果たす荷役自動車です。フォークリフトの世界にはさまざまな種類が存在し、それぞれが独自の特徴を持っています。積極的に活用すれば、作業の効率が向上することはもちろん、安全な業務の遂行にも繋がります。この記事では、フォークリフトの種類とそれぞれの特徴について解説していきます。
- こんな人にオススメ!
- ・フォークリフトの基本を知りたい人!
- ・フォークリフトの特徴を知りたい人!
- ・作業現場に最適なフォークリフトを知りたい人!
フォークリフトの種類と特徴
フォークリフトとは、荷物を持ち上げたり運んだりするための荷役自動車です。倉庫や工場などで重要な役割を果たしています。フォークリフトには、様々な種類があり、それぞれに特徴や用途があります。ここでは、代表的なフォークリフトの種類と特徴について紹介します。
1,カウンターフォークリフト
カウンターフォークリフトは、最も一般的なフォークリフトの種類です。運転席が設置されており、前進・後進・停止はフットペダル、旋回はハンドル操作で行います。自動車の運転ができれば扱いやすいフォークリフトです。車体の後部に重り(ウェイト)をつけることで、重い荷物を持ち上げた際にバランスをとり、運搬する荷物の重さに耐えられる構造になっています。電気式やエンジン式などの動力源があります。荷物の積み下ろしや移動など、さまざまな作業に対応できます。操作性や安定性が高く、屋内外で幅広く使われています。
メリット
- 車体に安定感があり、走行速度や荷役作業の動作も速く作業効率が高い
- さまざまな作業に対応できる
- 屋内外で幅広く使える
デメリット
- 重りがあるため車体が重くなる
- 小回りが利きづらく狭い場所での作業には不向き
- エンジン式の場合は排気ガスが出る
2,リーチフォークリフト
リーチフォークリフトは、フォークを前方に伸ばして荷物を持ち上げるフォークリフトです。車体はコンパクトで、立ったまま操作します。車体が停止したままでも、フォークを前後に移動することができます。電気式のみの動力源があります。高さのある棚に荷物を積み下ろしする作業に適しています。タイヤが約90度回転することから小回りが利き、屋内での使用が主です。
メリット
- 車体がコンパクトで軽い
- フォークを伸ばし高さのある棚に対応できる
- バッテリー式なので排気ガスが出ない
デメリット
- 操作性や安定性が低い
- 屋外での使用には不向き
3,サイドフォークリフト
サイドフォークリフトは、車体の側面に設置されているフォークを横方向に出し入れできるフォークリフトです。車体は長くて細く、重りはありません。電気式やエンジン式などの動力源があります。木材やパイプなどの長尺物や幅の広い荷物の積み下ろしや移動に適しています。運転席の位置が高く、視覚が広いのもサイドフォークリフトの特徴です。屋内外での使用が可能です。
メリット
- フォークを横に出し入れできる
- 木材やパイプなどの長尺物や幅の広い荷物に対応できる
- 屋内外で使える
デメリット
- 車体が細長いため狭い場所での操作は不向き
- エンジン式の場合は排気ガスが出る
4,ウォーキーフォークリフト
ウォーキーフォークリフトは、運転席がなく、運転者が歩きながら操作するフォークリフトです。車体はコンパクトで、電気式のみの動力源があります。軽量な荷物の積み下ろしや移動に適しています。屋内での使用が主です。
メリット
- 車体がコンパクトで軽い
- 狭い場所や低い天井でも使用可能
- バッテリー式なので排気ガスが出ない
- 軽量な荷物や短距離の運搬に適している
デメリット
- 作業者が歩く必要があるので、疲労や事故のリスクが高い
- 重量のある荷物には対応できない
5,マルチディレクショナルフォークリフト
マルチディレクショナルフォークリフトは、全方位に進むことのできるフォークリフトです。車体は四角くて平らで、重りはありません。電気式やエンジン式などの動力源があります。長尺物や幅の広い荷物の積み下ろしや移動に適しています。屋内外での使用が可能です。
メリット
- 前後左右に走行ができ汎用性が高い
- 方向転換が容易
- 屋内外で使える
デメリット
- 操作性や安定性が低い
- 車体が四角くて平らなので段差や傾斜に弱い
- エンジン式の場合は排気ガスが出る
フォークリフトの動力の種類
フォークリフトは、さまざまな動力源を活用しています。ここでは、3つの動力源について説明します。
エンジン式フォークリフト
エンジン式フォークリフトは、内燃機関式フォークリフトとも呼ばれています。ガソリン、ディーゼル、液化石油ガス、圧縮天然ガスなどの燃料を使用して運転するフォークリフトです。充電を必要とするバッテリー式フォークリフトと比較して連続して使える時間が長いのが大きなメリットです。また、高いパワーや速さの面でも優れており、なんと30トンもの荷物を運べるものもあります。一方で、バッテリー式フォークリフトに比べて車体が大きく、機敏な動きができないフォークリフトが多いというのも特徴です。
バッテリー式フォークリフト
バッテリー式フォークリフトにはリーチ式とカウンター式の2種類があり、蓄電した電気で走行します。クリーンで静かな動作が特徴です。騒音が少ないので、住宅街での作業や、早朝・深夜の作業も可能です。排気ガスを発生しないため、室内作業に向いており、環境にも優しいフォークリフトです。小型で機動性に優れている一方で、エンジン式フォークリフトと比較してパワーでは劣ります。最大でも荷重8.5トンが上限です。重量物の運搬にはエンジン式フォークリフトの方を活用する必要があります。
燃料電池フォークリフト
燃料電池フォークリフトの燃料は水素です。水素と空気中にある酸素を化学反応させて電気を作り、その電気をフォークリフトの動力源にします。水素は稼動中にCO2を排出せず、とてもクリーンです。しかも、燃料補給は驚くほど素早く行えます。その手軽さ、扱いやすさはガソリン・軽油と変わりません。
フォークリフトの最大荷重と許容荷重
フォークリフトは、重量物を運搬するために広く使われている機械ですが、その性能や安全性を確保するためには、最大荷重と許容荷重という2つの重要な指標を知っておく必要があります。ここでは、フォークリフトの最大荷重と許容荷重とは何か、どのように決まるか、どうやって確認するかなどについて解説します。
最大荷重とは何か?
フォークリフトの最大荷重とは、基準荷重中心に対して積載できる最大の重さのことを指します。基準荷重中心とは、フォークリフトのツメ(前部にあるフォーク)に載せた荷物の中心からツメの根元までの距離です。基準となる荷重中心は、JIS規格(日本工業規格)によって定められています。
許容荷重とは何か?
フォークリフトの許容荷重とは、基準荷重中心がツメの根元から何㎜のときに最大何㎏の荷物を積めるかを表したものです。許容荷重が小さいほど持ち上げられる荷物の量が少なくなります。逆に言えば、許容荷重が大きいほど持ち上げられる荷物の量が多くなります。運ぶ荷物の荷重中心がフォークの根元から遠いほど、持てる荷物の重量は小さくなります。
フォークリフトの銘板で分かること
フォークリフトには、型式や仕様を書いた板がついています。これを銘板といいます。銘板には、アルファベットと数字の組み合わせが記載されています。これらの記号を読み解くことで、フォークリフトの種類や最大積載量などを知ることができます。
銘板で分かること
- 製造者名
- 製造年月日または製造番号
- 最大荷重
- 許容荷重
まとめ
いかがでしたか?フォークリフトの種類と特徴を理解し、現場や用途によって適切な選択をすることで、作業効率を上げることが可能です。あなたの現場でのニーズに合ったフォークリフトを選ぶ際に、この記事が役立てると嬉しいです。ぜひとも、より良い作業環境を実現してください。
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