最終更新:2026年10月19日
この記事でわかること
- 構造で見るフォークリフトの種類(6種類)の違いと比較表
- 動力・タイヤ・操縦方式で見るフォークリフトの種類
- フォークリフトの種類別の最大荷重と、必要な資格の早見表
- 現場・用途別のフォークリフトの種類の選び方
- フォークリフトの種類別の仕事内容と、求人票で給料を見るポイント
フォークリフトには構造・動力・タイヤ・操縦方式によってたくさんの種類があり、求人票に「リーチ経験者歓迎」「カウンター使用」と書かれていても、最初はどれがどの形か分かりにくいものです。この記事では、フォークリフトの種類を「構造」「動力」「タイヤ」「操縦方式」「最大荷重」の5つの見方で整理し、それぞれに必要な資格と、どんな職場で使われているかまで解説します。
数字は、教習機関の講習案内、メーカーのカタログ情報、労働局の資料など、確認できたものだけを載せています。働く職場を選ぶときや、面接で「どの種類に乗れますか」と聞かれたときに答えられるよう、まずは全体の地図をつかんでください。
フォークリフトの種類は構造で6つに分かれる【比較表】
フォークリフトの種類を構造で分けると、カウンターバランス・リーチ・サイドフォーク・ウォーキー(歩行式)・マルチディレクショナル・三方向の6つが代表的です。違いは「フォークがどこについているか」「人がどう乗るか」「どちらの方向に荷物を出し入れできるか」にあります。
| 種類 | 乗り方 | フォークの動き | 得意な場面 |
|---|---|---|---|
| カウンターバランス | 座って運転 | 車体ごと前に進んで荷物をすくう | 工場の構内・トラックへの積み下ろし・屋外 |
| リーチ | 立って運転が多い | マストやフォークが前後に動く | 倉庫の狭い通路・棚への出し入れ |
| サイドフォーク | 座って運転 | 車体の横にフォークがある | 鉄パイプ・木材など長い荷物 |
| ウォーキー(歩行式) | 後ろを歩いて操作 | 低い位置の積み下ろし | バックヤード・小さな倉庫の短い移動 |
| マルチディレクショナル | 座って運転 | 車輪の向きを変えて横にも走れる | 長い荷物を狭い通路で運ぶ |
| 三方向 | 運転台に乗る | フォークが左右に90度ずつ回る | 通路を狭くした高い棚の倉庫 |
①カウンターバランス型
カウンターバランス型とは、車体の前にフォークとマスト、後ろに重り(カウンタウェイト)をつけて、荷物と釣り合いをとる種類です。座って運転する四輪のフォークリフトで、斜面や多少の凹凸がある場所でも安定しやすいのが特徴です(出典:日立 物流用語集)。もっとも広く使われている種類で、技能講習の実技でもこの形に乗るのが一般的です。
②リーチ型
リーチ型とは、車体を止めたままマストやフォークを前後に動かせる種類のことです。人が立って乗って操作することが多く、車体が小さいので狭い通路の倉庫で多く使われます。詳しい仕組みや操作のコツはリーチフォークリフトの記事で解説しています。
③サイドフォーク型
サイドフォーク型とは、フォークが車体の横についていて、長い荷物を横に抱えたまま走れる種類です。鉄パイプや木材のように前向きに持つと通路をふさぐ荷物を運ぶ現場で使われます。扱う荷物が特殊なので、乗れる職場は限られます。
④ウォーキー(歩行式)
ウォーキーとは、人が乗らずに、後ろを歩きながらハンドルで操作する種類です。水平に運ぶことに加えて、低い位置への積み下ろしもできます。トヨタL&Fのウォーキーにはカウンタータイプとストラドルタイプがあり、定格荷重は600kgと900kgです(出典:トヨタL&F『ウォーキー』)。
⑤マルチディレクショナル型
マルチディレクショナル型とは、車輪の向きを変えることで、前後だけでなく横方向にも走れる種類です。長い荷物を持ったまま横に進めるので、サイドフォークと同じく長尺物を扱う倉庫で使われます。台数は多くないため、求人で見かけることは少ない種類です。
⑥三方向型(三方向スタッキング型)
三方向型とは、フォークを左右に90度ずつ回せる種類で、進む方向と左右の両側の棚に荷物を出し入れできます。車体を回さずにフォークだけが向きを変えるので、通路を狭くして保管量を増やした倉庫で使われます(出典:日立 物流用語集)。
このほか、運転台が荷物と一緒に上がって、ケースやばら単位で棚から取り出すオーダーピッキング型もあります。求人票では「ピッキングリフト」と書かれることもあるので、名前だけで迷ったら仕事内容の欄を読みましょう。
6つの種類のうち、求人で見かけることが多いのはカウンターバランス型とリーチ型の2つです。サイドフォーク・マルチディレクショナル・三方向は、扱う荷物や倉庫のつくりが特殊な職場で使われるため、台数も求人も多くありません。これからフォークリフトの仕事を始める人は、まずカウンターとリーチの違いを押さえておけば、ほとんどの求人票は読めるようになります。
動力で見るフォークリフトの種類(エンジン式・バッテリー式・燃料電池式)
動力で見たフォークリフトの種類とは、エンジン式・バッテリー式・燃料電池式の3つのことで、作業する場所が屋内か屋外か、排気ガスを出せるかどうかで使い分けます。
| 動力 | 主な特徴 | 使われやすい職場 |
|---|---|---|
| エンジン式(ガソリン・LPG・軽油) | 力が強く、燃料を入れればすぐ動ける。排気ガスと音が出る | 屋外の構内・重い荷物の運搬 |
| バッテリー式(電動) | 排気ガスが出ず静か。充電の時間と段取りが必要 | 屋内の倉庫・食品や医薬品の職場・冷蔵倉庫 |
| 燃料電池式(水素) | 水素で発電して走る。排気は水だけ | 水素を補給できる設備がある大きな物流拠点 |
近年は排気ガスを出さないバッテリー式が増えており、リーチ型はほとんどがバッテリー式です。トヨタL&Fのリーチ『Rinova』には、鉛バッテリーのほかリチウムイオンバッテリーのタイプも用意されています(出典:トヨタL&F『Rinova』)。
働く側にとっての違いは、始業前の点検の中身です。エンジン式なら燃料・エンジンオイル・冷却水、バッテリー式なら充電量やバッテリーの状態を確かめます。バッテリー式では、休憩の前後に充電器につなぐ、残量が少ない車両を使わないといった段取りも仕事の一部になります。
燃料電池式は、水素を補給する設備が必要なので、使っている職場はまだ限られます。求人票に動力の種類まで書かれていることは少ないので、屋内の倉庫ならバッテリー式、屋外の構内ならエンジン式と考え、気になる場合は面接で確かめるとよいでしょう。
タイヤで見るフォークリフトの種類と路面の相性
タイヤで見たフォークリフトの種類とは、空気の入っていないソリッドタイヤ、空気入りのニューマチックタイヤ、中に詰め物をしたタイヤなどの違いのことで、走る床や路面によって向き不向きがあります。
| タイヤ | 特徴 | 向いている路面 |
|---|---|---|
| ソリッドタイヤ(クッションタイヤ) | 硬いゴム製でパンクしない | 屋内の平らなコンクリート床 |
| ニューマチックタイヤ(空気入り) | クッション性があり凹凸に強い。パンクの心配がある | 屋外・舗装の荒れた構内 |
| フォームフィルドタイヤ | 空気の代わりにウレタンを詰めている。パンクしにくい | 金属片などが落ちやすい屋外の構内 |
| ポリウレタンタイヤ | 床を傷めにくく、転がりが軽い | 床をきれいに保ちたい屋内の職場 |
①ソリッドタイヤ(クッションタイヤ)
空気が入っていないのでパンクせず、倉庫や工場の屋内で標準的に使われます。乗り心地は硬めで、段差を越えると振動が体に伝わりやすいのが弱点です。
②ニューマチックタイヤ(空気入り)
空気が入っているので乗り心地がよく、屋外の凹凸のある路面でも安定して走れます。そのかわりパンクの心配があるので、始業前点検で空気圧や傷を確かめます。
③フォームフィルドタイヤ
空気の代わりにウレタンのフォームを詰めたタイヤで、空気入りの乗り心地と、パンクしにくさを両立させています。鋭い異物が落ちやすい屋外の構内などで選ばれます。
働く側にとって、タイヤの違いは乗り心地と点検の中身に出ます。ソリッドタイヤの車両で屋外の段差を越えると、振動が強く荷物も揺れやすいので、段差の手前ではとくに速度を落とします。空気入りタイヤの車両では、始業前点検で空気が減っていないか、傷や異物が刺さっていないかを毎日見ることが大切です。
タイヤを見るときのポイント
- 屋内の平らな床が中心 → ソリッドタイヤ
- 屋外や凹凸のある路面が多い → ニューマチックタイヤ
- 金属片などが落ちやすい → フォームフィルドタイヤ
- どのタイヤでも、始業前に摩耗・傷・空気圧を確認する
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操縦方式で見るフォークリフトの種類(座り乗り・立ち乗り・歩行式)
操縦方式で見たフォークリフトの種類とは、座って運転する「座り乗り」、立って運転する「立ち乗り」、後ろを歩いて操作する「歩行式」の3つのことです。通路の広さと、乗り降りの多さで向いている方式が変わります。
| 操縦方式 | 代表的な種類 | 向いている作業 |
|---|---|---|
| 座り乗り式 | カウンターバランス・サイドフォーク | 長い距離の運搬・トラックへの積み下ろし |
| 立ち乗り式 | リーチ | 棚への出し入れ・乗り降りの多い作業 |
| 歩行式 | ウォーキー | 短い距離の運搬・低い位置の積み下ろし |
座り乗りは長時間でも体が楽な一方、乗り降りに時間がかかります。立ち乗りはすぐに降りて伝票を確認したり荷物を直したりできるので、棚の多い倉庫で好まれます。ただし一日中立って操作するので、足腰の疲れ方は座り乗りと大きく違います。歩行式はスピードを出せないかわりに小回りがきき、スーパーのバックヤードのような狭い場所で使われます。
物流倉庫で棚を高くして床を有効に使う流れが続いており、立ち乗りのリーチに乗れる人を探している求人は少なくありません。座り乗りのカウンターと両方に乗れると、応募できる仕事の幅が広がります。
自分に合う操縦方式を考えるときは、体への負担も見ておきましょう。座り乗りは長い距離を走っても疲れにくい反面、乗り降りのたびに体をひねります。立ち乗りは乗り降りが楽な反面、一日中立ち続けるので足の裏やふくらはぎが疲れやすくなります。腰や足に不安がある人は、面接で「どちらに乗る時間が長いか」を聞いておくと安心です。
フォークリフトの種類別・最大荷重(トン)と資格の早見表
フォークリフトの最大荷重とは、そのフォークリフトが安全に持ち上げられる荷物の重さの上限のことで、必要な資格もこの数字で決まります。最大荷重は種類と機種によって違うので、ここではメーカーが公表している例をあげます。
| 種類(メーカーの機種の例) | 最大荷重(定格荷重) | 必要な資格 |
|---|---|---|
| ウォーキー(トヨタL&F『ウォーキー』) | 600kg・900kg | メーカーは「1t未満のため運転資格は不要」と案内 |
| リーチ(トヨタL&F『Rinova』) | 0.9〜3t | 0.9tの機種は特別教育以上、1t以上の機種は技能講習 |
| カウンターバランス・バッテリー式(トヨタL&F『gene B』) | 1.0〜3.5t | フォークリフト運転技能講習 |
| 最大荷重1t未満のフォークリフト(全般) | 1t未満 | 特別教育(または技能講習) |
| 最大荷重1t以上のフォークリフト(全般) | 1t以上 | フォークリフト運転技能講習 |
出典:トヨタL&F『ウォーキー』・トヨタL&F『Rinova』・トヨタL&F『gene B』(いずれも2026年10月13日確認)。リーチの『Rinova』は、揚高がスタンダードタイプで4m、ハイマストタイプで5mと案内されています。
最大荷重は「その重さまでなら、どんな持ち方でも大丈夫」という意味ではありません。荷物の重心がフォークの先のほうにあったり、高く上げたりすると、持ち上げられる重さは下がります。どこまで持てるかは車体に貼られた荷重表(ロードダイアグラム)で確認し、表の範囲を超える荷物は持たないのが基本です。
トン数を選ぶときの考え方の具体例
たとえば、荷物とパレットを合わせて1つ800kgの荷物を、床からトラックの荷台まで運ぶだけの職場を考えます。数字の上では最大荷重1t未満の機種でも持てそうに見えますが、荷物の重心がフォークの先のほうにあれば、持ち上げられる重さは荷重表の数字より下がります。さらに、ときどき1tを超える荷物が混ざるなら、1t以上の機種が必要です。このように「いちばん重い荷物」と「荷物の重心の位置」の両方を見て、余裕のある最大荷重を選ぶのが基本です。
次に、同じ800kgの荷物を、高い棚の上の段に入れる倉庫を考えます。高く上げるほど持ち上げられる重さは下がるので、床の近くでは足りていた機種でも、上の段では荷重表の範囲を超えることがあります。リーチの『Rinova』のように、メーカーはスタンダードとハイマストで揚高の違う型を用意しているので、棚のいちばん上の段に合わせて型を選び、その高さでの荷重表も確かめます。
働く側から見ると、最大荷重は資格にも関わります。1t未満の機種しかない職場なら特別教育で乗れますが、職場を移ったときに1t以上の機種に乗れないと仕事の幅が狭まります。これからフォークリフトの仕事を続けるつもりなら、最初から技能講習を受けておくほうが、どの職場でも通用します。
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フォークリフトの種類別に必要な資格(技能講習と特別教育)
フォークリフトに必要な資格は、種類ではなく最大荷重で決まり、1t以上はフォークリフト運転技能講習、1t未満は特別教育(または技能講習)です。最大荷重1t以上のフォークリフトの運転は、労働安全衛生法施行令第20条第11号で技能講習の修了者に限られています。
| 区分 | 対象 | 講習の時間(例) |
|---|---|---|
| フォークリフト運転技能講習 | 最大荷重1t以上(1t未満も運転できる) | 35時間(受講資格なし)/31時間(普通自動車などの運転免許あり) |
| フォークリフト運転特別教育 | 最大荷重1t未満 | 学科6時間+実技6時間=12時間 |
出典:コベルコ教習所 フォークリフト運転技能講習・コベルコ教習所 フォークリフト運転特別教育。技能講習には、大型特殊自動車の免許を持っている人などが受けられる11時間、1t未満の運転経験がある人向けの15時間のコースもあります。
大事なのは、技能講習の修了証が1枚あれば、カウンターでもリーチでもサイドフォークでも運転できることです。種類ごとに資格を取り直す必要はありません。講習の申し込み方、費用、会社の費用補助についてはフォークリフト免許の取り方の記事で詳しく解説しています。
ただし、資格が同じでも「乗れる」と「仕事として任せてもらえる」は別です。技能講習の実技は座って運転するカウンターで行うのが一般的なので、リーチの職場に入った人は、立ったままの操作やフォークを前後に動かす操作を、職場で改めて練習することになります。面接では、修了証を持っていることに加えて、どの種類に、どれくらいの期間乗っていたかを具体的に伝えると、配属を決めてもらいやすくなります。
資格について注意したいこと
- 最大荷重1t以上の機種を、特別教育だけで運転することはできない
- 工場や倉庫の構内とは別に、公道を走るには自動車の運転免許が必要
- 資格を持っていても、職場の決まりで社内の安全教育を受けてから乗ることが多い
用途・現場別のフォークリフトの種類の選び方
フォークリフトの種類の選び方は、「通路の広さ」「屋内か屋外か」「荷物の形と重さ」の3つで決まると考えると分かりやすくなります。働く側から見ると、職場の形を見ればどの種類に乗るかがおおよそ予想できます。
| 現場・用途 | 主に使われる種類 | 理由 |
|---|---|---|
| ネット通販などの物流倉庫・狭い通路 | リーチ | 車体が小さく、棚への出し入れが得意 |
| 工場の構内・トラックへの積み下ろし | カウンターバランス | 座って長く運転でき、安定している |
| 食品工場・医薬品の倉庫 | バッテリー式のカウンター・リーチ | 排気ガスを出さない |
| 鉄パイプ・木材など長い荷物 | サイドフォーク・マルチディレクショナル | 長い荷物を横に持って運べる |
| 高い棚を並べて通路を狭くした倉庫 | 三方向・リーチ | 車体を回さずに左右の棚に出し入れできる |
| 屋外の凹凸がある構内 | エンジン式のカウンター(空気入りタイヤ) | 路面の凹凸に強い |
求人票で使用機種が書かれていないときは、「倉庫内のピッキングと棚入れ」ならリーチ、「工場の出荷場での積み込み」ならカウンターであることが多いです。ただし両方を使う職場もあるので、応募前に「どの種類に、1日どれくらい乗るか」を確かめておくと、入ってからのずれを防げます。
①物流倉庫ではリーチが中心になる理由
物流倉庫は、同じ床の広さにできるだけ多くの荷物を置くため、棚を高くして通路を狭くつくります。車体の小さいリーチは、その狭い通路に入って、車体を止めたままフォークだけを前後に動かして棚に荷物を出し入れできます。入荷した荷物を棚に入れる「格納」と、注文に合わせて棚から出す「出庫」が仕事の中心です。
②工場の構内ではカウンターが中心になる理由
工場では、部品や製品をトラックから下ろす、工程から次の工程へ運ぶ、完成品を出荷場に並べるといった、長い距離の運搬が多くなります。座って運転できて安定しているカウンターは、こうした作業に向いています。屋外を走る構内ではエンジン式や空気入りタイヤの車両が使われることもあります。
③食品・医薬品の職場ではバッテリー式が選ばれる理由
食品や医薬品を扱う場所では、排気ガスやにおいが製品に移ることを避けなければなりません。そのため、カウンターでもリーチでもバッテリー式の車両が選ばれます。冷蔵・冷凍倉庫では寒さに対応した仕様の車両が使われ、働く人も防寒具を着て作業します。
フォークリフトの種類選びでよくある間違いと正しい見方

フォークリフトの種類選びでよくある間違いとは、荷物の重さだけ、または車体の大きさだけで判断してしまうことです。導入する会社だけでなく、働く人が職場の機械を理解するうえでも役に立つ考え方なので、代表的な3つを紹介します。
①荷重だけを見て選んでしまう
「3tの荷物を運ぶから最大荷重3tの機種でいい」と考えがちですが、荷物の重心がフォークの前のほうにあると、同じ重さでも転倒しやすくなります。荷重表(ロードダイアグラム)で、フォークの付け根から荷物の重心までの距離に応じた持ち上げられる重さを確かめることが必要です。
②通路幅を測らずに種類を決めてしまう
カウンターバランス型は、後輪でハンドルを切るので曲がるときに車体の後ろが大きく振れ、狭い通路では取り回しにくくなります。通路の幅と曲がり角の広さを先に測り、狭い倉庫ならリーチや三方向を検討します。メーカーは機種ごとに必要な通路幅を示しているので、カタログの数字と現場の寸法を並べて比べます。
③揚高(持ち上げられる高さ)を確認しない
同じ種類でも、持ち上げられる高さは機種によって違います。たとえばトヨタL&Fのリーチ『Rinova』は、スタンダードタイプが揚高4m、ハイマストタイプが揚高5mです(出典:トヨタL&F『Rinova』)。棚の一番上の段の高さに、パレットと荷物の高さを足して、必要な揚高を計算してから選びます。
フォークリフトの種類を決める前に測る数字
- 運ぶ荷物の最大の重さと、重心までの距離
- 倉庫・作業場のいちばん狭い通路の幅
- 棚のいちばん上の段の高さ+パレットと荷物の高さ=必要な揚高
- 屋内か屋外か、床はコンクリートか凹凸があるか
- 1日に何時間動かすか(バッテリー式なら充電の段取り)
フォークリフトの種類に共通する主要部品の名前
フォークリフトの主要部品とは、フォーク・マスト・カウンタウェイト・オーバーヘッドガード・バックレストなど、どの種類にもほぼ共通する部分のことです。名前を知っておくと、点検や不具合の報告をするときに正確に伝えられます。
| 部品名 | 役割 |
|---|---|
| フォーク(爪) | 荷物やパレットの下に差し込んで持ち上げる腕 |
| マスト | フォークを上下させる柱。前後に傾ける(ティルト)こともできる |
| リフトシリンダー | 油圧でフォークを上下させる装置 |
| ティルトシリンダー | マストを前後に傾けて荷物を安定させる装置 |
| カウンタウェイト | カウンターバランス型の後ろにある重り。前の荷物と釣り合いをとる |
| オーバーヘッドガード | 運転する人の頭の上を守る屋根。落ちてくる荷物から身を守る |
| バックレスト | フォークの後ろの枠。荷物が手前に崩れるのを防ぐ |
フォークの長さと厚さは、扱うパレットや荷物の形に合わせて選びます。長すぎると走るときに前が見えにくく、短すぎると荷物が落ちやすくなります。フォークの代わりに、荷物を回すローテーター、丸い荷物をつかむクランプなどのアタッチメントを取り付けることもあり、その場合は持ち上げられる重さが変わるので、取り付けたあとの荷重表を確認します。リーチ型には、前に張り出した脚(ストラドルアーム)とその先の車輪(ロードホイール)など、リーチ特有の部品もあります。
ここまで読んで、寮費補助のある工場求人を見たくなった方へ
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フォークリフトの種類と主なメーカー
フォークリフトの主なメーカーとは、国内では豊田自動織機(トヨタL&F)やロジスネクストなどのことで、同じ種類でもメーカーによって操作レバーの配置や機種の名前が違います。
| メーカー | ポイント |
|---|---|
| 豊田自動織機(トヨタL&Fカンパニー) | カウンター・リーチ・ウォーキーなど幅広い種類を扱う。リーチ『Rinova』、バッテリー式カウンター『gene B』など |
| ロジスネクスト | 2017年にユニキャリアと統合。2026年4月30日に三菱ロジスネクストから社名変更。ニチユ・三菱・TCMのブランドを2026年度から順次「Logisnext」に統一 |
ロジスネクストの社名変更とブランド統一は、LNEWS(2026年3月)の報道で確認しました。職場の車両に「ニチユ」「TCM」「三菱」と書かれていても、同じグループのフォークリフトです。
働く人にとっては、メーカーよりも種類(カウンターかリーチか)と操作方式のほうが大切です。ただ、メーカーが変わるとレバーの並びやブレーキの感覚が少し違うことがあるので、新しい職場では最初に操作レバーの配置を確かめ、低い位置で動きを試してから作業に入りましょう。
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フォークリフトの種類を問わない事故原因と安全対策
フォークリフトの事故とは、転倒・人との接触・荷物の落下が代表的で、どの種類に乗るかに関係なく起こります。厚生労働省の労働災害統計をまとめた報道によると、2025年にフォークリフトが原因で起きた休業4日以上の死傷事故は1,872件、死亡事故は19件でした(出典:LOGISTICS TODAY)。
①転倒・横転
曲がるときの急なハンドル操作や、荷物を高く上げたまま走ることで重心が上がり、車体が倒れます。曲がる前に減速し、荷物はできるだけ低くして走るのが基本です。
②歩行者との接触
見通しの悪い曲がり角や交差するところで、歩いている人とぶつかる事故が起きています。歩く通路と車両の通路を分け、ミラーやホーンを使って確認します。
③荷物の落下
フォークの差し込みが浅い、荷物が崩れやすいといった理由で荷物が落ちます。荷物をバックレストまでしっかり寄せ、積みすぎず、ラップなどで固定します。
フォークリフトの点検と運転のきまり(労働安全衛生規則)
- 作業を始める前の点検(第151条の25)
- 1か月以内ごとに1回の定期自主検査(第151条の22)
- 1年以内ごとに1回の特定自主検査。登録検査業者か、資格を持つ社員が行う(第151条の21・第151条の24)
- 検査の記録は3年間保存する
- 運転位置を離れるときは、フォークを一番下まで下げ、エンジンなどを止めてブレーキをかける(第151条の11)
点検の決まりは厚生労働省の法令等データベース(労働安全衛生規則)の条文で確認しました。働く人にとって大事なのは、毎日の始業前点検を「形だけ」にしないことです。ブレーキ・ハンドル・ホーン・タイヤ・フォークの傷を見て、おかしいと感じたら乗らずに上司へ伝えるのがいちばんの事故防止になります。
種類ごとに気をつける点も違います。カウンターは後輪でハンドルを切るので、曲がるときに車体の後ろが外側に大きく振れ、近くの人や棚に当たりやすくなります。リーチの多くは、ブレーキペダルを踏むとブレーキが外れ、足を離すとブレーキがかかる「デッドマンブレーキ」を採用しています(出典:労働新聞社 安全スタッフ)。カウンターに慣れた人が初めてリーチに乗ると、この動きの違いに戸惑うので、広い場所で止まり方を確かめてから作業に入りましょう。
④よくある操作ミスと防ぎ方
よくあるのは、フォークを上げたまま走り出してしまうミスです。棚から荷物を取ったあと、急いでいると下げる前にアクセルを踏んでしまいます。「荷物を取る→下げる→周りを見る→走る」の順番を毎回声に出して確かめると、体に覚えさせることができます。
次に多いのが、パレットへの差し込みが浅いまま持ち上げてしまうミスです。フォークの先しか入っていないと、荷物の重心が前に出て落ちやすくなり、荷重表の数字以上に車体が不安定になります。差し込んだら一度止まり、フォークがパレットの奥まで入っているかを目で確かめてから持ち上げます。
曲がるときに後ろの振れを忘れるのも、カウンターでよく起きるミスです。前の荷物ばかり見ていると、振れた車体の後ろが棚や人に当たります。曲がる前に一度止まり、後ろ側に人や物がないかを見てからハンドルを切る癖をつけると防げます。
フォークリフトの種類で変わる導入・維持費の考え方
フォークリフトの導入・維持費とは、車両の代金だけでなく、点検・修理、燃料や電気、タイヤ交換、運転する人の資格の費用まで含めた総額のことです。同じ種類でも、新車・中古・レンタルのどれを選ぶかで負担のかかり方が変わります。
| かかる費用 | 中身 | 種類による違い |
|---|---|---|
| 車両の代金・リース料 | 新車・中古の購入か、リース・レンタル | 揚高の高い機種や特殊な種類ほど高くなりやすい |
| 点検・修理 | 月次の自主検査と年1回の特定自主検査、修理 | どの種類でも法律で決められた検査が必要 |
| 燃料・電気 | エンジン式は燃料、バッテリー式は充電の電気代 | バッテリー式はバッテリーの交換費用も考える |
| タイヤ | 摩耗したら交換 | 路面が荒い職場ほど減りが早い |
| 資格 | 運転する人の技能講習・特別教育 | 種類に関係なく最大荷重で決まる |
レンタルは点検や修理が料金に含まれることが多く、少ない台数を短い期間だけ使いたいときに向いています。長く同じ台数を使うなら、購入やリースのほうが総額を抑えやすくなります。金額は機種・地域・契約の条件で大きく変わるので、複数の販売店から見積もりを取って比べてください。
フォークリフトの種類別の仕事内容と給料の見方
フォークリフトの種類別の仕事とは、リーチなら倉庫の棚入れと出庫、カウンターなら工場や出荷場での運搬と積み下ろしのように、乗る種類によって1日の作業の中身が変わることを指します。
| 乗る種類 | 主な職場 | 主な作業 |
|---|---|---|
| リーチ | ネット通販・スーパー・ドラッグストアなどの物流倉庫、冷蔵・冷凍倉庫 | 入荷した荷物の棚入れ、出荷する荷物の取り出し |
| カウンターバランス | 工場の構内、出荷場、資材置き場 | トラックへの積み込み・荷下ろし、工程から工程への運搬 |
| サイドフォーク | 鉄鋼・木材など長い製品を扱う工場や倉庫 | 長い製品の運搬と保管 |
| ウォーキー | 店舗のバックヤード、小さな倉庫 | 短い距離の運搬と低い位置の積み下ろし |
①リーチに乗る物流倉庫の1日の作業例
始業時に朝礼と車両の点検をすませると、午前中は入荷したトラックから下ろされたパレットを、指示された棚の番地に入れていく「格納」が中心になります。午後は出荷の注文に合わせて棚から荷物を取り出し、出荷場まで運ぶ「出庫」が増えます。リフトに乗り続けるだけでなく、伝票やハンディ端末で荷物と番地を照らし合わせる作業が何度も入るので、乗り降りしやすいリーチが使われます。終業前には車両を充電器につなぎ、翌日に備えます。
②カウンターに乗る工場の構内の1日の作業例
工場では、朝に届いた部品や材料をトラックから下ろし、置き場に並べることから始まることが多いです。その後は、製造ラインの近くに部品を運び、できあがった製品を出荷場へ移す運搬をくり返します。夕方は出荷するトラックへの積み込みが増えます。座って長い距離を走るので、構内の通行ルールと一時停止の場所を覚えることが最初の仕事になります。
③サイドフォーク・ウォーキーの作業例
サイドフォークの職場では、鉄パイプや木材などの長い製品を、置き場とトラックのあいだで運ぶ作業が中心です。荷物が長いので、曲がり角やほかの車両とのすれ違いでとくに注意が要ります。ウォーキーは、店舗のバックヤードで届いた商品を売り場の近くまで運ぶ、小さな倉庫で棚の下の段に荷物を置くといった、短い距離の作業で使われます。
給料は種類だけでは決まらず、地域・夜勤の有無・残業・扱う荷物で大きく変わります。求人票を比べるときは、時給の数字だけでなく次の点を見てください。労働基準法第37条では、法定労働時間を超える残業と、夜10時から朝5時までの深夜労働には、それぞれ25%以上の割増賃金を払うことが決められています。そのため夜勤のある倉庫や工場では、同じ時給でも月の手取りが多くなります。
フォークリフトの求人票で確認したいこと
- 乗る種類(リーチかカウンターか)と、1日のうちリフトに乗る時間
- 時給に「資格手当」「リフト手当」が含まれているか、別に出るか
- 夜勤・残業の有無と、割増賃金の計算
- 寮の有無・寮費・水道光熱費の月額
- 資格がない場合、会社が講習の費用を出してくれるか
リーチとカウンターの両方に乗れると、応募できる求人が増え、職場の中でも任される仕事が広がります。資格を活かして仕事の幅を広げる方法は、フォークリフトのキャリアアップの記事でまとめています。
フォークリフトの種類に関するよくある質問

まとめ:フォークリフトの種類は構造・動力・最大荷重で見分ける

本記事では、フォークリフトの種類を構造・動力・タイヤ・操縦方式・最大荷重の5つの見方で整理し、必要な資格や現場別の選び方、仕事内容まで解説しました。
この記事のポイント
- フォークリフトの種類は構造で6つ(カウンター・リーチ・サイド・ウォーキー・マルチディレクショナル・三方向)が代表的
- 動力はエンジン式・バッテリー式・燃料電池式。屋内はバッテリー式が中心
- 資格は種類ではなく最大荷重で決まり、1t以上は技能講習、1t未満は特別教育
- 技能講習の修了証があれば、種類を問わず運転できる
- 倉庫ならリーチ、工場の構内ならカウンターに乗ることが多い
フォークリフトの種類を知っておくと、求人票を読んだだけで職場の様子が想像できるようになります。資格を活かして寮付きの工場や倉庫で働きたい方は、どの種類に乗りたいかを伝えたうえで求人を探すと、希望に近い仕事が見つかりやすくなります。
この記事の監修者・運営者
監修
株式会社myteams 代表。人材・求人メディア業界にてマーケティング責任者・取締役として8年以上のキャリアを持つ。SEO対策・Webマーケティング・求人メディア事業の立ち上げ・拡大に豊富な実績を持つ。求職者支援の現場経験をもとに、寮付き求人情報の調査・監修を担当。
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