フォークリフトは工場や倉庫など、さまざまな現場で幅広く利用されています。重い荷物をフォークリフトで運搬することで、作業工程の効率化が図られています。 多くの現場にて欠かせない機材であるフォークリフトですが、工場や倉庫での荷役作業で運転するには資格が必要になります。「普通自動車免許があれば運転が可能なのでは？」と考える方は多いのではないでしょうか。実は、普通自動車免許ではフォークリフトによる荷役作業に従事することはできません。 この記事では、フォークリフトを運転するために必要な資格について、わかりやすく紹介していきます。
フォークリフトの運転に必要な資格
フォークリフトの運転には、特別な免許が必要です。フォークリフトの免許は2種類あります。
- 最大荷重が１トン未満のフォークリフト
- 最大荷重が１トン以上のフォークリフト
取得の方法をそれぞれ見ていきましょう。
最大荷重１トン未満のフォークリフトは特別教育
最大荷重1トン未満のフォークリフトであれば、「フォークリフトの運転の業務に係る特別教育」の修了によって運転できるようになります。この特別教育は「フォークリフト特別教育」と呼ばれることが多いです。特別教育には「学科教育」と「実技教育」の２つがあります。学科教育6時間、実技教育6時間、合計12時間の講習が実施され、修了証が交付されます。
受験資格は、18歳以上ならば、国籍・性別・学歴は問いません。年齢さえ問題なければ、誰でもチャレンジできます。
最大荷重１トン以上のフォークリフトは運転技能講習の修了証
フォークリフト運転技能講習の修了証は、総重量が1トン以上のフォークリフトを公道以外で運転するために必要な免許です。フォークリフト運転技能講習を修了するには、学科11時間、実技24時間、合計35時間の講習の受講と、それぞれ受講後に実施される試験への合格が必要です。修了証は永久に有効で、更新の必要はありません。
受験資格は、18歳以上ならば、国籍・性別・学歴は問いません。年齢さえ問題なければ、誰でもチャレンジできます。
取得にかかる期間や費用
フォークリフト運転技能講習の修了証を取得するためにかかる期間や費用は、受講する教習機関や受講者の資格によって異なります。一般的には、以下のような目安があります。
- 免許や経験がない場合：35時間（平均5日間）、4～6万円
- 普通自動車免許を持っている場合：31時間（平均５日間）、3～5万円
- 免許なし、1トン未満のフォークリフトの業務経験が6か月以上ある場合：15時間（平均3日間）、2～3万円
- 普通免許・大型免許を持っていて、1トン未満のフォークリフトの業務経験が3か月以上ある場合：11時間（平均2日間）、2～3万円
- 大型特殊自動車免許を持っている場合：11時間（平均2日間）、2～3万円
無資格運転には罰則がある
「フォークリフト運転技能講習修了証」を持たずに作業などを行うと、労働安全衛生法第１１９条により、懲役６か月以下または罰金５０万円以下が課せられます。また、無資格で一般道を走行した場合は、道路交通法違反となります。無資格で運転した者だけでなく、無資格と知りながらフォークリフトを提供した人も罰則の対象になります。
フォークリフトの資格では公道を走れない
フォークリフトは資格があれば作業することができますが、公道を走ることは出来ません。例えば、勤務先の敷地の外へフォークリフトに乗って移動することは違法となってしまいます。公道を走るためには、特殊自動車免許が必要です。特殊自動車免許は、運転可能な車体の大きさや最高速度によって、大型特殊自動車、小型特殊自動車、いずれかに応じた特殊自動車免許が必要になります。フォークリフトで公道を走る場合、以下の3つの行為は禁止されています。
- 荷物を積んで走行する
- けん引走行する
- 作業灯を点灯して走る
特殊自動車の資格の取得方法
フォークリフトで公道を走るためには、特殊自動車免許の取得が必要です。講習の日数と料金について下記にまとめましたので、ご覧ください。
特殊自動車免許
特殊自動車免許は、フォークリフトを公道で運転するために必要な免許です。国土交通省の管轄で、道路交通法に基づいて行われます。特殊自動車免許には、小型特殊自動車免許と大型特殊自動車免許の2種類があります。それぞれの免許の取得方法について解説します。
小型特殊自動車免許
小型特殊自動車免許は最高速度が15㎞/ｈ以下のフォークリフトを公道で運転するために必要な免許です。小型特殊自動車免許で運転できる車として代表的なのはフォークリフト以外に、農耕トラクター、刈取脱穀作業車、乗用田植え機、タイヤローラー、ロードローラーなど主に農作業や工場で使われる車です。
小型特殊自動車免許を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 16歳以上であること
- 警察署で申請書を提出すること
- 視力検査と筆記試験に合格すること
小型特殊自動車免許を取得するためにかかる期間や費用は、以下のような目安があります。
- 期間：1日～2日
- 費用：受講料1,500円と交付手数料2,050円の合計3,550円
小型特殊自動車免許を取得すると、最高速度が15㎞/ｈ以下のフォークリフトを公道で運転することができます。ただし、公道での運転には、警察署からの許可やナンバープレートの取得などの手続きが必要です。
大型特殊自動車免許
大型特殊自動車免許は、最高速度が15㎞/ｈ以上のフォークリフトを公道で運転するために必要な免許です。自動車教習所で講習を受けることで取得できます。
大型特殊自動車免許を取得するには、以下の条件を満たす必要があります。
- 満１８歳以上であること
- 自動車教習所で講習を受けること
- 学科試験と実技試験に合格すること
大型特殊自動車免許を取得するためにかかる期間や費用は、受講する自動車教習所によって異なります。一般的には、以下のような目安があります。
教習所
- 期間：1日～17日
- 費用：約95,000円～200,000円
合宿免許
- 期間：最短４日
- 費用：約90,000円
一発試験
- 期間：1日
- 費用：約6500円
大型特殊自動車免許を取得すると、最高速度が15㎞/ｈ以上のフォークリフトを公道で運転することができます。ただし、公道での運転には、警察署からの許可やナンバープレートの取得などの手続きが必要です。
フォークリフトの就職のポイント
フォークリフトは、倉庫や工場などで荷物を持ち上げたり運んだりするための荷役自動車です。フォークリフトの運転には特別な免許が必要で、フォークリフトの免許を持っていると、就職に有利になることが多いです。ここでは、フォークリフトの就職のポイントについて紹介します。
倉庫や工場などの求人に有利
フォークリフトの免許を持っていると、倉庫や工場などの求人に有利になります。これらの職場では、フォークリフトを使って荷物の積み下ろしや移動を行う作業が多く、フォークリフトの操作ができる人材が常に不足しています。フォークリフトの資格は、物流に関わる様々な業種で活かせる資格です。
フォークリフトの資格を持っていると、以下のようなメリットがあります。
- 求人の数が多い
- 給料が高い
- スキルアップができる
- キャリアアップができる
メリット１：求人の数が多い
フォークリフトの資格を持っていると、就職に有利になることが多く、求人の数も多いです。Indeed (インディード)という求人サイトによると、フォークリフトの資格所有者の求人は、64,599件あります（フォークリフト免許 持ちの求人 | Indeed (インディード)）。これは、トラックドライバーや倉庫作業員などの関連職種よりも多いです。
メリット２：給料が高い
給料が高いというのは、フォークリフトの資格があると資格手当がつく可能性があるということです。フォークリフトの資格は国家資格で、特別な技能を持っているという証明になります。そのため、資格手当がつく会社も多いです。
フォークリフトを公道で運転するためには、小型特殊自動車免許や大型特殊自動車免許の取得が必要です。
フォークリフトオペレーターの年収はどのくらい？給与が高い人の特徴も紹介します – 免許取得お役立ちマガジン (goikyo.net)
したがって、これらの資格を有していることで、フォークリフトの運転士として就ける仕事の職種が拡がりますし、給与面でも差が出ることになります。
メリット３：スキルアップができる
スキルアップができるというのは、フォークリフトの資格があると、さらに別の資格を取得しやすくなるということです。フォークリフトの資格だけでは、公道を走ることが出来ません。そこで必要になるのが特殊自動車免許です。特殊自動車免許には、小型特殊自動車免許と大型特殊自動車免許の2種類があります。これらの免許を取得することで、仕事の幅が広がります。
メリット４：キャリアアップができる
キャリアアップができるというのは、フォークリフトの資格を持っていると、管理職やリーダーになれる可能性があるということです。フォークリフトの資格は、フォークリフトの操作に関する知識や経験を持っているという証明になります。そのため、フォークリフトの作業を管理したり、新人の教育や指導を行ったりする役割に就くことができます。管理職やリーダーになると、給料や待遇も向上します。
自分のスキルや希望に合った仕事を探す
フォークリフトの免許を持っていると、倉庫や工場などの求人に有利になりますが、それだけではなく、自分のスキルや希望に合った仕事を探すことも重要です。フォークリフトの仕事には、以下のような種類があります。
- 荷役作業：フォークリフトを使って荷物の積み下ろしや移動を行う作業です。倉庫や工場などで多く行われます。
- 配送作業：フォークリフトを使って荷物をトラックや船などに積み込んだり、荷物を受け取ったりする作業です。物流センターや港などで多く行われます。
- 棚卸作業：フォークリフトを使って荷物の在庫や管理を行う作業です。倉庫や工場などで定期的に行われます。
- 点検・整備作業：フォークリフトの安全性や性能を確保するために、定期的に点検や整備を行う作業です。フォークリフトのメーカーや販売店などで行われます。
これらの仕事には、それぞれにメリットやデメリットがあります。
- 荷役作業：作業量が多く、重労働になることがありますが、給料が高いことが多いです
- 配送作業：公道での運転が必要になることがありますが、移動距離に応じて手当がつくことがあります
- 棚卸作業：作業時間が短いことが多いですが、正確さや細かさが求められます
- 点検・整備作業：専門的な知識や技術が必要になりますが、スキルアップやキャリアアップができます
フォークリフトの仕事を探す際には、自分のスキルや希望に合わせて、仕事の内容や条件を比較検討することが大切です。また、フォークリフトの仕事には、正社員や契約社員、派遣社員、アルバイトなどの雇用形態があります。雇用形態によっても、給料や待遇、働き方などが異なります。自分にとってベストな雇用形態を選ぶことも重要です。
まとめ
フォークリフトの種類と特徴を知ることは、免許取得や就職に役立つだけでなく、安全で効率的な運転にも必要です。フォークリフトの免許は、物流に関わる様々な業種で活かせる資格です。フォークリフトの就職には、自分のスキルや希望に合わせて、仕事の内容や条件を比較検討することが大切です。フォークリフトの免許を取って、あなたにぴったりの仕事を見つけましょう。
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