【リーチフォークリフトとは？】 仕組み・免許の種類・取得の流れを紹介

リーチフォークリフトの免許を取得することで、あなたの仕事やキャリアにどのようなメリットがあるのでしょうか？
リーチフォークリフトは、狭い場所や高い場所にも荷物を運べる便利な機械です。しかし、その操作方法や必要な資格について、不安や疑問を持っている方も多いかもしれません。

この記事では、リーチフォークリフトの基本的な知識や運転方法、資格取得の方法や費用などをわかりやすくご紹介します。リーチフォークリフトの免許を取得することで、あなたのスキルや可能性を広げることができます。リーチフォークリフトの免許に興味がある方や、取得を検討している方は、ぜひこの記事をお読みください。

リーチフォークリフトとは？

フォークリフトは、重い荷物を運んだり、高いところに積み上げたりするのに欠かせない機械です。しかし、フォークリフトにもさまざまな種類があり、その中でも特に注目されているのが「リーチフォークリフト」です。リーチフォークリフトとは、通常のフォークリフトとは異なり、フォーク（荷物を持ち上げる部分）が前後に伸縮できる機械です。

リーチフォークリフトの特徴は？

リーチフォークリフトは立ったまま操作できるフォークリフトです。バッテリー駆動で排気ガスを発生させず、屋内の現場で活躍します。その機能によるメリットは以下のようになります。

リーチフォークリフトを使うのはどんな現場？

具体的に、リーチフォークリフトが活躍する現場とその特徴について紹介します。

１．高いラックや棚の作業

リーチフォークリフトはその名の通り「リーチ」が利くため、高い位置に収納された荷物の出し入れ作業に適しています。倉庫や物流センターなどでの高所作業に重宝されています。

２．狭い通路での機動性が必要な場所

リーチフォークリフトはタイヤの９０度回転や小回りが利くため、通路幅が限られている倉庫や工場内などでの機動性が求められる場面で利用されます。他のフォークリフトでは難しい場所でも、スムーズな運搬が可能です。

３．屋内作業が主体な現場

電気で動くリーチフォークリフトは排気ガスを発生させず、屋内でも安全に使用できます。食品業界や製造工程など、クリーンな環境が求められる場所で利用されます。

４．多様な荷物の取り扱いが必要な場面

フォークを伸縮させることで、異なるサイズや形状の荷物に対応できます。変則的な形状や大きさの荷物を扱う現場で、その柔軟性が重宝されます。

このように、リーチフォークリフトは高所や狭い通路、屋内作業など多岐にわたる産業分野で幅広く利用されています。

リーチフォークリフトを運転するには？

リーチフォークリフトを運転するためには通常の自動車免許ではなく「フォークリフト運転技能講習修了証」が必要です。これは労働安全衛生法が管轄する国家資格になります。労働安全衛生法によって定められた技能講習を修了し、フォークリフト免許を取得しなければなりません。

フォークリフト免許の合格率は？

免許の取得に関しては、「難易度はどれくらいか」「自分も合格できるのか」といった不安がありますよね。フォークリフト免許（フォークリフト運転技能講習）は国家資格ですが難易度は低く、合格率は非公開ですが90％以上といわれています。

フォークリフトの操縦免許は国家資格にあたります。しかし、難易度は低く、合格率は90％を超えるといわれています。 また受験資格も、18歳以上であれば誰でも受験ができます。受講者のほとんどが合格できることからも、かなり取得しやすい資格であることが分かるでしょう。 

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高い合格率の理由は、いくつかの理由があります。

１．学科試験の主体が講習内容に基づいている

リーチフォークリフト免許の学科試験は、講習中に学んだ内容が中心に出題されます。教官からの指導をしっかりと受け、講習期間中に学科の知識を吸収すれば、合格への道が広がります。

２．実技試験の合格基準が明確

実技試験においても、特定の基準をクリアすれば合格となります。審査項目は乗車前の点検、乗車、発進、周回走行です。これらのポイントに焦点を当て、実践的な技術を向上させることで合格が近づきます。

３．講習時間が比較的短期間

２～５日間の短期集中での学習になるので、効率的に必要な知識と技術を身につけることが出来ます。短期間で十分な準備ができるため、多くの受講者が合格に至りやすいのです。

４．再試験の機会が用意されている

合格できなかった場合でも、当日に再試験を受けることが可能です。受講者にとって安心感のあるシステムです。

５．受講者の多くが実務経験者

多くの受講者が既に現場での操縦経験を持っているため、実技試験での合格率が高まります。

このように、学科試験や実技試験の透明性、短期間での講習、再試験の機会提供など複数の要因が組み合わさって、多くの受講者が合格しています。

主要フォークリフトの運転が可能に

フォークリフト運転技能講習修了証を取得できると、主要な５種類ものフォークリフトの運転が可能になります。

• カウンタバランスフォークリフト：稼働率が日本一のフォークリフト
• リーチフォークリフト：立って操縦する室内での利用が多いフォークリフト
• サイドフォークリフト：木材やパイプなど長いものを扱うフォークリフト
• オーダーピッキングフォークリフト：ピッキング作業で活用される背の高いフォークリフト
• ウォーキーフォークリフト：運転手が歩きながら操作するフォークリフト

無資格運転の罰則は？

「フォークリフト運転技能講習修了証」を持たずに作業などを行うと、労働安全衛生法第１１９条により、懲役６か月以下または罰金５０万円以下が課せられます。

また、無資格で一般道を走行した場合は、道路交通法違反となります。無資格で運転した者だけでなく、無資格と知りながらフォークリフトを提供した人も罰則の対象になります。更に、公道でリーチフォークリフトの運転をする場合、特殊自動車免許が必要になります。速度に関しては最高速度が１５㎞/h以下の場合、小型特殊免許が必要で、最高速度が１５㎞/h以上の場合、大型特殊免許が必要になります。

リーチフォークリフトの資格取得方法

ものづくり現場でのリーチ式フォークリフトを運転したいと考えたとき、資格取得の道のりはいくつかの選択肢があります。ここでは、特別教育と技能講習について解説します。

①特別教育：最大荷重が１トン未満の場合

フォークリフト運転特別教育を受けることで、最大荷重が１トン未満のフォークリフトを操作できます。期間は約２日で、基本的な知識や実技教育が含まれます。学科講習は6時間以上、実技講習は6時間以上です。修了試験は不要で、費用は約15,000円～20,000円が相場になっています。

②技能講習：最大荷重が１トン以上の場合

フォークリフト運転技能講習を受けることで、最大荷重が１トン以上のフォークリフトを操作できます。特別教育よりも長い時間がかかり、最短でも５日間の学科と実技が必要です。学科講習は11時間以上、実技講習は24時間以上です。修了試験があり、費用は約45,000円～50,000円が相場です。

この２種類がありますが、自動車免許を持っている方と持っていない方とでは料金も期間も異なります。次に、運転免許証を所持していない、または所持している場合を見ていきましょう。

すべての免許がない、現場経験もない場合

①学科講習時間：すべての免許がない、現場経験もない場合、学科講習時間は通常１１時間です。

②実技講習時間：実技講習時間は２４時間となります。

③料金：4,5000円

合計３５時間の講習時間で修了できます。

自動車免許を持っている場合

自動車運転免許を保有している場合、技能講習の学科講習時間が短縮され、費用も少し安くなります。

これにより、スムーズかつ効率的にフォークリフトの資格取得が可能です。

①学科講習時間：自動車免許を持っている場合、学科講習時間は通常７時間です。

②実技講習時間：実技講習時間は２４時間となります。

③料金：35,000円～40,000円

合計３１時間の講習時間で修了できます。

免許なし、１t未満フォークリフト６か月以上経験がある場合

①学科講習時間：免許がなく、運転の経験がある場合、学科講習時間は通常１１時間です。

②実技講習時間：実技講習時間は４時間となります。

③料金：20,000円～25,000円

合計１５時間の講習時間で修了できます。

普通・大型免許を持っていて、１t未満フォークリフト3か月以上経験のある場合

①学科講習時間：自動車免許を持っている場合、学科講習時間は通常１１時間です。

②実技講習時間：実技講習時間は４時間となります。

③料金：15,000円～20,000円

合計１１時間の講習時間で修了できます。

大型特殊免許を持っている場合

①学科講習時間：自動車免許を持っている場合、学科講習時間は通常１１時間です。

②実技講習時間：実技講習時間は４時間となります。

③料金：15,000円～20,000円

合計１１時間の講習時間で修了できます。

フォークリフト免許取得のステップ

申し込み・予約

まずは選んだ教習所での入港手続きです。用意するものは申込用紙、本人確認書類、そして講習料金です。手続きは直接教習所へ行くか、電話・ファックス・郵送でも受け付けています。

学科講習

学科講習がスタートし、講習を終えるとその後に学科試験があります。フォークリフトの操縦に必要な７つの項目を学びます。字面を見ると難しい印象が合ありますが、学科講習を集中して受ければ克服できます。しかし、試験では各項目ごとに一定の正答率が求められるので、満遍なく答えられるよう準備が必要です。

学科講習の内容

• 荷重：荷物の適切な積み込みと運搬に関する基本原則
• 力学：フォークリフトの運転において影響を与える力学の理解
• 法令：フォークリフトの運転に関連する法的要件や安全基準の習得
• 荷役装置：フォークリフトの荷役機構の効果的な操作と制御についての知識
• 質量・重量：荷物の質量や重量の計測方法とこれに基づく運搬戦略
• 安全係数・検査：安全係数の重要性とフォークリフトの定期検査手順の理解
• 油圧装置・付属装置：フォークリフトの油圧装置や付属装置の機能と安全な操作方法

実技講習

フォークリフト免許の実技講習は、実際の作業環境でのスキル向上を重視しています。

実技講習の内容

実技は原則として２科目です。

• 走行の操作：２０時間
• 荷役の操作：４時間

試験から結果発表まではどのくらいかかる？

試験終了後すぐに採点され、結果が伝えられます。学科試験に不合格だった場合、その場で講習を受け、再試験になります。実技試験で不合格だった場合は、実技補修を受け、再試験になります。

更新手続きはあるの？

フォークリフトの免許には厄介な更新手続きは必要ありません。そして、一度付与されれば取り消されることもありません。しかし、適切な知識や技術の維持・向上のために任意の講習を受けることが出来ます。これにより、ブランクの克服や最新の情報の習得が可能となります。

具体的な講習内容は、最新のフォークリフトの特徴や取り扱い、保守、災害事例、関連法令などが含まれます。自己スキルの向上や最新の技術の習得のために、定期的な受講をおススメします。

修了証の再発行は出来るの？

再発行は出来ます。技能講習修了証や特別教育講習修了証は、一般的な運転免許証とは異なり常に持ち歩いているわけではないので、再発行を希望する人が多い傾向にあります。

修了証の再発行を希望する場合、講習を受けた教習所の窓口での手続きを行います。まず「再交付申請書」に必要事項を記入します。この用紙はインターネットでダウンロードが可能です。また、申請書には顔写真を貼ります。縦4.5ｃｍ×横3.5ｃｍの写真を用意しましょう。そして、本人確認のできる身分証明書を持って行きます。再発行の手続きには2,000円ほどの手数料がかかりますので、注意が必要です。

まとめ

この記事では、リーチフォークリフトの資格について、そのメリットや取得方法、費用などを詳しく説明しました。立ったまま操作でき、高いラックに格納された荷物をスムーズに扱えるリーチフォークリフトは、狭い場所や高い場所にも荷物を運べる便利な機械です。

リーチフォークリフトの資格を持っていれば、仕事の幅が広がり、スキルアップにもつながります。リーチフォークリフトの資格は、国家資格でありながら比較的簡単に取得できる資格ですが、それだけに価値がないというわけではありません。リーチフォークリフトの資格を取得することは、あなた自身のためにもなるのです。

もしリーチフォークリフトの資格に興味があるなら、ぜひ、今すぐにでも、近くの教習機関に問い合わせてみてください。教習機関に問い合わせると、講習の日程や費用、受講方法などを教えてくれます。あなたが受けられるコースや免許の種類も確認できます。リーチフォークリフトの資格を取得することは大きなチャンスです。このチャンスを逃さないでください。今すぐにでも、教習機関に問い合わせて、講習の予約をしましょう。リーチフォークリフトの資格を取得して、あなたの仕事やキャリアに新たな風を吹き込みましょう。